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2023年11月23日

名古屋医学部予備校による藤田医科大学(物理)前期の傾向と詳細な分析

力学は、多い年度で大問2題出題されています。多くの大学と同様、衝突の問題は頻出ですが、剛体のつりあいの問題が頻出であるのは大きな特徴です。2010年度から、力学の問題を中心に典型的な応用問題、そして、他の分野との融合問題がよく出題されています。典型的な応用問題というのは、少し難易度が高いけど、どこかで見たことがあるような問題、すなわち、やったことがあるかどうかで差が付きやすい問題のことです。その結果、物理が得意な受験生と苦手な受験生で以前よりも差が付きやすい問題です。

名古屋医学部予備校による藤田医科大学(物理)前期の傾向と詳細な分析

目次

傾向:本学の大きな特徴

2023年度前期の詳細な分析

傾向:本学の大きな特徴

力学は、多い年度で大問2題出題されています。多くの大学と同様、衝突の問題は頻出ですが、剛体のつりあいの問題が頻出であるのは大きな特徴です。

2010年度から、力学の問題を中心に典型的な応用問題、そして、他の分野との融合問題がよく出題されています。典型的な応用問題というのは、少し難易度が高いけど、どこかで見たことがあるような問題、すなわち、やったことがあるかどうかで差が付きやすい問題のことです。その結果、物理が得意な受験生と苦手な受験生で以前よりも差が付きやすい問題になりました。

電磁気は、全体に万遍なく出題されていますが、やや磁気よりも電気のほうがよく出題されています。回路の問題が比較的よく出題されています。

波動は、全体に万遍なく出題されています。「波の式」の出題を、これまで次のように予想していました。2022年度までは「波の式」は、出題されていませんが、出題されると、解いたことがあるかどうかで差が付きやすいですから、きちんと手を付けておいたほうがいいでしょう、と、これまで予想していましたら、2023年度の前期で、出題されました。

熱力学は、分子運動論や気球の問題の出題内容がやや特徴的です。気体の状態変化の問題は、頻出問題です。

分野に関わらず共通して、出題が予想される問題

典型的な応用問題

融合問題

○以前出題されたことがある難易度が高めの問題の類題

図、グラフ、途中の計算過程を要求する問題

○間違った考え方が例示してあり、その考え方が間違っている理由、そして、正しい考え方などを考察させる論述問題(2019年度からよく出題されています。)

○近似計算

○図、グラフを描く問題がたまに出題されます。

○通常よりは高い頻度で、類題が繰り返し出題されることがあります。

2004年度〔3〕プリズムの問題、屈折と全反射 → 2007年度〔3〕プリズムの問題、屈折と全反射

2001年度〔2〕交流、リアクタンス → 2007年度〔7〕交流、リアクタンス

2005年度〔3〕近似計算 → 2008年度〔4〕近似計算

そして、最近は、近似計算の問題がよく出題されています。

2003年度〔3〕コンデンサーを含む直流回路 → 2009年度〔5〕コンデンサーを含む直流回路

詳しくは、2024年度の予想問題を参照してください。

2023年度前期の詳細な分析

2006~2011年度は、2007年度の7題を除くと大問5題でしたが、2012~2023年度は大問4題でした。2023年度は、力学が2題、熱力学が1題、波動が1題で、電磁気、原子は出題されませんでした。2013年度の後期が新設されてから2023年度まで、2020年度以外は前期で熱力学、後期で波動というように、前期と後期で、熱力学と波動の分野は交互に出題されています。前期に熱力学、後期に波動の場合が多いです。2022年度と2023年度は、力学以外は、前期と後期で、電磁気、波動、熱力学、原子が互い違いに出題されました。

藤田でよく出題されるグラフの問題が出題されました。

以前は、難易度と問題量に大きな差があることが多かったですが、2017~2023年度は、難易度と問題量にそれほどの差はありませんでした。以前は、見開き2ページの問題は、1ページの問題と比べて、設問の数が多いだけでなく、実質的に難易度が高く、問題量も多かったです。そのような場合は、見開き1ページの問題を先に解き、そのあとに、2ページの問題を1ページの問題よりも時間をかけて解く、という、解く順番と時間配分がとても重要になります。

〔1〕力学剛体のつり合い、おもりからの重力と弾性力を受ける軽い棒、論述 標準

本学で最頻出の剛体のつり合いの問題です。2023年度は、前期、後期でともに出題されました。問1は、力のつり合いの基本的な設問です。問2は、力のモーメントのつり合いを使う設問です。方針、立式は大変ではありませんが、計算量が多少多くなります。問3は、力のつり合いと力のモーメントのつり合いの連立で解く設問ですが、問1と2の結果をうまく使えるかどうかで、計算量がとても異なります。問1と2の結果が要領良く使えれば偏差値が70以上あると思っていいですし、合格できた可能性はとても高いと思います。問4は、問3の結果に基づいて考察する論述問題です。ただ、結果を使って考察するよりは、イメージ中心で考察した方が考えやすいかもしれません。問3までが出来れば合格点だと思います。

〔2〕熱力学:気体の状態変化、気体の混合問題、断熱自由膨張、グラフ やや難

やや難易度が高い問題です。問1は、決して難しくありませんが、この設問の結果が連動しますので、丁寧に解きましょう。連動している初めの設問で間違えると、芋づる式に間違ってしまいますので、その意味で、初めの設問は何題かの配点があると思っても言いすぎではありません。ですので、連動していると気づいたときは、その初めの設問を必要以上に丁寧にと高とする気持ちを強く持ちましょう。問2は、本学で出題されやすいグラフの設問です。力のつり合いを丁寧に使いましょう。問3は、仕事の設問です。気体の状態変化では、基本的に、内部エネルギーの変化、仕事、熱が問われますが、それぞれ、大きく分けて、求め方は2通りしかありませんが、その2つの解法を確実に身につけましょう。仕事は、グラフの面積を求めるのが1つの解法ですが、この設問でその解法を使いましょう。そのために、問1と2を丁寧に考えましょう。問4は、気体の混合問題です。物理の気体の混合問題の典型問題は、パターンありますが、いずれも体積は一定です。この設問は、体積が可変という状況設定で、難易度は高くなります。問5は、断熱自由膨張という設問です。解いたことがあるかどうかで差がつきやすい内容ですので、本学ではそのような問題は出題されやすいですので、入試問題集などで、いわゆる典型的な応用問題に多くあたっておきましょう。問2~4がやや難ですが、問3まで解きたいところです。

〔3〕波動:波の式、自由端、固定端、閉管の気柱の共鳴 標準からやや難

本学ではこれまで出題されたことがない波の式の問題です。出題されると、解いたことがあるかどうかで差が付きやすいですから、きちんと手を付けておいたほうがいいでしょう。と予想していましたら、2023年度の前期で、見事に予想が的中しました。誘導に乗って、穴埋めをさせる問題です。前半は、反射の際の位相の変化を一般的な角度でおいた場合の定常波の波の式を答えさせます。後半は、自由端、固定端、それぞれの反射の際の位相の変化、そして、閉管の気柱の共鳴の定常波が出来る条件を求めさせます。誘導は計算で求めさせますが、むしろ、自由端、固定端の反射の際の位相の変化の知識を要領良く使いましょう。そして、閉管の気柱の共鳴の定常波の条件も、誘導に乗るよりは、感傷の基本的な条件を使った方が答えやすくなります。(オ)と(カ)が差がつきやすく、そして、(キ)~(シ)でどれだけ部分点が取れるかが重要です。

〔4〕力学:運動方程式、動滑車を含む3物体の運動、途中の計算過程 標準からやや難

動滑車を含む3物体の運動方程式の問題です。この問題では誘導がありますが、滑車に対する相対速度でおくと未知数が1つ減ります。そして、滑車が加速度運動している場合でも、

軽い滑車に働く合力は0である、という点が押えらえているかどうかで、ほぼ全体の出来が決まると思ってもいい問題です。問1は、基本的な設問です。問2は、軽い滑車は加速度運動している場合でも合力が0であるということが問われている設問です。ぜひ解きたい設問です。問3は、慣性力を使って運動方程式を立てましょう。問4と5は、問1~3を使った計算問題です。問6は、問4と5の結果を使うことは出来ますが、計算結果が多少複雑ですので、むしろ、結果を使わない方が解きやすくなります。偏差値70以上がないと、このことには気づきにくいと思います。問7は、問4と5の結果を使った数値計算の設問です。この大問では、問6と7の正解率がとても低いと思いますが、問5まで解ければ合格点だと思います。

合格者平均点は、48.1点です。合格者最低点は、多くの大学の入試において、合格者平均点より5分から1割くらい低くなります。4割5分くらい取れるといいでしょう。

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