ブログ
2024年01月23日
名古屋医学部予備校による藤田医科大学(化学)の後期
理論の分野は、酸と塩基、酸化と還元、電気分解、反応速度、化学平衡がよく出題されます。2015年度から、文字計算の問題が良く出題されています。有機の分野は、脂肪族化合物、芳香族化合物の問題は毎年出題され、そして、天然高分子がよく出題されます。小問集合がほぼ毎年出題されています。
名古屋医学部予備校による藤田医科大学(化学)の後期
目次
傾向:大きな特徴
2023年度後期の詳細な分析
傾向:本学の大きな特徴
○理論の分野は、酸と塩基、酸化と還元、電気分解、反応速度、化学平衡がよく出題されます。2015年度から、文字計算の問題が良く出題されています。
○有機の分野は、脂肪族化合物、芳香族化合物の問題は毎年出題され、そして、天然高分子がよく出題されます。
○小問集合がほぼ毎年出題されています。
○グラフの問題がよく出題されます。
○実験器具や操作方法の問題も出題されます。
○論述問題の内容は、典型的な内容がほとんどです。
2023年度後期の詳細な分析
多くの後期と同様、標準的な難易度でした。大問5題です。後期は、大問が4~7題ですが、大問の数にかかわらず、全体の問題の分量はそれほど変わりません。小問集合1題、理論1題、有機3題となっています。
〔1〕小問集合:気体・電気分解・系統分離・物質の三態・熱化学 やや易
問1は、気体の化学反応の問題です。必ず化学反応式を書きましょう。そして、飽和蒸気圧が与えられている気体は、状態方程式から計算した分圧は、飽和蒸気圧以下か、飽和蒸気圧より大きいかで、取り扱い方を区別しましょう。問2は、電気分解の基本的な設問です。問3は、系統分離の基本的な設問です。問4は、状態図の設問です。水の状態図についての論述問題(字以内)がありますが、水の状態図の大きな特徴は、理解した上で、覚えておきましょう。問5は、熱化学の設問です。代数的な計算の解法だけでなく、パターンの公式も使えるようにしておきましょう。
〔2〕理論:化学平衡・溶解度積 標準
化学平衡、溶解度積の問題です。苦手意識を持っている受験生は多く、実際の所、差がつきやすい問題ではあります。一方で、多くの入試問題集に載っていますので、標準的な難易度の問題を苦なく解けるように練習を行なっておきましょう。問1は、飽和水溶液の濃度から、溶解度積を計算する設問です。問2は、問1の結果と水素イオン濃度の値から、塩化銀の解ける物質量を答える問題です。問3は、共通イオン効果、溶解度積の比較などを行ないます。問4は、硫化物の沈殿の質量を溶解度積を使って計算する設問です。
〔3〕有機:芳香族化合物 標準
本学では芳香族エステルが頻出ですが、本問は、アミドの問題です。酸、塩基で2つの物質に分解、と書いてありましたら、エステルだけではなく、アミドも考慮しましょう。それ以降の条件から、がアニリン塩酸塩であることが推測できますので、その推測に基づいて、完答出来るといいでしょう。
〔4〕有機:合成高分子 標準
受験生にはなじみが少ないポリ乳酸の問題です。基本的な知識は必要ですが、一方で、必要以上に細かい知識を問う問題は出題されません。ですので、本問のような見慣れない問題は、誘導、ヒントがありますので、知らないからといって、弱気になる必要はありません。見慣れない問題は、必要な内容を問題で与えますので、どちらかといえば、知識問題ではなく、指向型の問題がほとんどです。そして、見た目よりも難易度が易しいことが多く、本問もその通りです。問2は、乳酸の分子式ですが、乳酸は、基本的な知識として、構造式を覚えておきましょう。問3は、問題文に誘導がありますので、特に問題は無いと思います。問5は、高分子の計算問題ですが、高分子の計算問題は、ほぼパターンが決まっています。基本的に、単量体に着目すると解きやすくなります。
〔5〕有機:脂肪族化合物・芳香族化合物 やや易
有機の小問集合です。問1は、基本的な設問です。問2は、アセチレンは、常温・常圧で気体であることは覚えておきましょう。問3は、決して難しくありませんが、難しくないときこそミスが怖いですので、構造式を丁寧に書いて取り組みましょう。問4は、マルコフニコフ則とザイチェフ則の設問です。この法則は、ぜひ覚えておきましょう。問5は、シクロアルカンを忘れないようにしましょう。
合格者平均点は、73.9点です。合格者最低点は、多くの大学の入試において、合格者平均点より5分から1割くらい低くなります。6割5分~7割くらい取れるといいでしょう。
一覧に戻る