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2024年01月23日

名古屋医学部予備校による藤田医科大学(物理)後期の傾向と詳細な分析

力学は、多い年度で大問2題出題されています。多くの大学と同様、衝突の問題は頻出ですが、剛体のつりあいの問題が頻出であるのは大きな特徴です。2010年度から、力学の問題を中心に典型的な応用問題、そして、他の分野との融合問題がよく出題されています。

名古屋医学部予備校による藤田医科大学(物理)後期の傾向と詳細な分析

目次

傾向:本学の大きな特徴

2023年度後期の傾向と詳細な分析

傾向:本学の大きな特徴

力学は、多い年度で大問2題出題されています。多くの大学と同様、衝突の問題は頻出ですが、剛体のつりあいの問題が頻出であるのは大きな特徴です。

2010年度から、力学の問題を中心に典型的な応用問題、そして、他の分野との融合問題がよく出題されています。典型的な応用問題というのは、少し難易度が高いけど、どこかで見たことがあるような問題、すなわち、やったことがあるかどうかで差が付きやすい問題のことです。その結果、物理が得意な受験生と苦手な受験生で以前よりも差が付きやすい問題になりました。

電磁気は、全体に万遍なく出題されていますが、やや磁気よりも電気のほうがよく出題されています。回路の問題が比較的よく出題されています。

波動は、全体に万遍なく出題されています。「波の式」の出題を、これまで次のように予想していました。2022年度までは「波の式」は、出題されていませんが、出題されると、解いたことがあるかどうかで差が付きやすいですから、きちんと手を付けておいたほうがいいでしょう、と、これまで予想していましたら、2023年度の前期で、出題されました。

熱力学は、分子運動論や気球の問題の出題内容がやや特徴的です。気体の状態変化の問題は、頻出問題です。

分野に関わらず共通して、出題が予想される問題

典型的な応用問題

融合問題

○以前出題されたことがある難易度が高めの問題の類題

図、グラフ、途中の計算過程を要求する問題

○間違った考え方が例示してあり、その考え方が間違っている理由、そして、正しい考え方などを考察させる論述問題(2019年度からよく出題されています。)

○近似計算

○図、グラフを描く問題がたまに出題されます。

○通常よりは高い頻度で、類題が繰り返し出題されることがあります。

2004年度〔3〕プリズムの問題、屈折と全反射 → 2007年度〔3〕プリズムの問題、屈折と全反射

2001年度〔2〕交流、リアクタンス → 2007年度〔7〕交流、リアクタンス

2005年度〔3〕近似計算 → 2008年度〔4〕近似計算

そして、最近は、近似計算の問題がよく出題されています。

2003年度〔3〕コンデンサーを含む直流回路 → 2009年度〔5〕コンデンサーを含む直流回路

詳しくは、2024年度の予想問題を参照してください。

2023年度後期の詳細な分析

2017年度の後期は行われませんでしたが、2013年度から後期が実施されています。2013年度、2014年度、2018年度は、力学でいずれも他の分野との融合問題が出題され、かつ、2022年度を除けば、剛体のつりあいの問題も必ず出題されているのが大きな特徴です。2023年度の後期は、本学で最頻出の剛体のつり合いは前期後期ともに出題されました。2023年度は、力学が2題、電磁気が1題、原子が1題で、波動、熱力学は出題されませんでした。

2013年度の後期が新設されてから2023年度まで、2020年度以外は前期で熱力学、後期で波動というように、前期と後期で、熱力学と波動の分野は交互に出題されています。前期に熱力学、後期に波動の場合が多いです。2022年度と2023年度は、力学以外は、前期と後期で、電磁気、波動、熱力学、原子が互い違いに出題されました。

藤田でよく出題されるグラフの問題が出題されました。

以前は、見開き2ページの問題は、1ページの問題と比べて、設問の数が多いだけでなく、実質的に難易度が高く、問題量も多かったです。そのような場合は、見開き1ページの問題を先に解き、そのあとに、2ページの問題を1ページの問題よりも時間をかけて解く、という、解く順番と時間配分がとても重要になります。

〔1〕力学:運動方程式、糸でつながれた3物体の運動、論述 やや易から標準

摩擦力を含む3物体の運動方程式の問題です。問1は、運動方程式の基本的な設問です。問2は、問1を使った計算問題です。問3は、運動方程式の基本的な設問です。問4は、問2を使った計算問題です。問5は、すべらない条件を使った論述問題です。特に難しい設問はありませんので、この大問では、問の論述問題も含めて、完答できるといいです。

〔2〕電磁気:直流回路、コンデンサーとコイルを含む直流回路 やや難

本学で出題されやすい回路の問題です。一般的にもほかの大学でもコンデンサーを含む直流回路はよく出題され、かつ、苦手な受験生が多く差がつきやすい問題になります。そして、コイルを含む直流回路は、それ以上に差がつきやすい問題になります。数年前までは、多くの入試問題集にコイルを含む直流回路は載っていませんでしたが、最近は載っている入試問題集は多いですので、きちんとと陸で起きましょう。基本的な考え方を着ておきます。からっぽのコンデンサーは導線、十分時間が経った状態でコンデンサーは断線です。コイルについては、スイッチを切り替えた直後は、直前と同じ電流、十分時間が経った状態でコイルは導線です。参考書によっては、もう少し単順に書いてありますが、それらはいつでも成り立つ内容ではなく、上記の内容はどんなに難易度が高い問題でもいつでも使える内容になります。ぜひ、使えるようになるといいです。問1は、コンデンサーを含む直流回路としては、基本的は設問です。問2は、難しくなさそうですが、見た目以上に差がつきやすい設問です。コンデンサー1には電荷がたまっておらず、コンデンサー2だけに、電池の起電力がそのままかかっていることに気づけるかどうかです。問3と4は、決して易しくはありませんが、問2の結果を使いますので、その意味で問2と同様、差がつきやすくなります。その分、問2の出来不出来が大きくなります。問5は、決して易しくはありませんが、一方で、間違えやすい設問ではありませんので、コイルを含む直流回路の問題に慣れているかどうかで正解率はほぼ決まると思います。問6は、難易度が高いです。問7は、問が6出来ないと解けないとほとんどの受験生は考えると思いますが、実は、問6の結果とはある意味全く関係なく解くことが出来ます。このことに気づくためには、偏差値75以上必要です。問5まで出来れば合格点です。

〔3〕原子:ブラッグ反射、屈折と物質波 標準

前半の[A]は、ブラッグ反射で、後半の[B]は、屈折と物質波の問題です。

[A]問1は、ブラッグの条件を答えるだけの基本的な設問です。問2は、問1のブラッグの条件を使えばいいですが、30°の時の次数を1としがちですが、30°の時に「初めて」強め合ったとは書いてありませんので、その間違いをしないように気をつけましょう。

[B]問3は、屈折を物質半の観点で考察する設問です。同様の問題を解いたことがある受験生もいると思いますが、一方で、解いたことがない受験生も、誘導がありますので、見た目よりも解きやすいです。問1と3は完答したい問題です。

〔4〕力学:剛体のつり合い、動摩擦力により転倒しない条件、グラフ 標準

本学で最頻出の剛体のつり合いの問題です。動摩擦力により転倒しない条件を考える問題で、類似の問題を解いたことがある受験生は少ないと思いますが、一方で、剛体のつり合いは、実はいろんな解法がありますが、機械的な解法で解くことが出来ますので、見た目よりも解きやすい問題です。問1は、なめらかな場合ですので、A点とB点ではたらく垂直抗力の大きさは同じですので、基本的な設問です。問2は、垂直抗力の与えられている文字が使えますので、運動方程式としては、基本的な設問です。問3は、力のモーメントのつり合いの式を立てましょう。問4は、力のつり合いと問の力のモーメントのつり合いの連立で解きましょう。問5は、ある意味言うまでもありませんが、問4の結果を使いましょう。問6は、本学で頻出のグラフの設問です。わざわざ微分する必要はなく、特別な点を点考え、あとは、微分可能性から、漸近線を持つなめらかな曲線を書きましょう。定義域は限られていますが、出来れば破線で漸近線も書くといいでしょう。

合格者平均点は、72.7点です。合格者最低点は、多くの大学の入試において、合格者平均点より5分から1割くらい低くなります。6割5分~7割くらい取れるといいでしょう。

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